2025-11-27 福利厚生
賃金など基本的な労働条件とは別に、企業が従業員やその家族の福祉向上のために行うさまざまな施策のこと。大きく法定福利制度と法定外福利制度に分けられる。
前者は法律上雇用主の義務とされているもので、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などの各種社会保険料の負担が代表例である。後者は企業独自のサービスであり、企業によってさまざまだが、住宅補助、医療・保険サービス、社宅や寮の提供、慶弔見舞金、レクレーションの企画や資金拠出などがその例になる。
企業が福利厚生を充実させることにはさまざまなメリットがある。
・人材確保・・・新卒採用のみならず、転職者にとっても福利厚生の充実度は大きなポイントである。採用後の定着率向上にも寄与する。
・生産性向上・・・従業員が健康で、心身共に働きやすい環境を提供することは、生産性の向上につながる。
・社会的評価の向上・・・福利厚生の充実度は企業イメージを大きく左右する。取引先や株主といったステークホルダーとの関係性を強める効果が期待できる。
これ以外にも、福利厚生に係る費用は幅広く損金算入が可能であり(現金化できないサービスであること、一般常識から外れた金額でないこと、など一定の縛りはある)、法人税対策にもなるというメリットもある。
ところが、日本企業の従業員一人当たり福利厚生費はこの30年、法定福利費がほぼ倍増しているのに対し、法定外福利費はやや減少しているという調査がある(第64回福利厚生費調査結果報告・日本経済団体連合会)。これは住宅や食事、レクリエーションなど比較的コスト負担が重い福利厚生が削減傾向にあることを反映しているようだ。企業のコスト削減志向も理由ではあろうが、こうした「囲い込み施策」については近年、当の従業員たちからのニーズも確かに減少しているように思える。一方で、健康や子育て・介護、財産形成関連のニーズは高まっていると見られ、企業はこうした動きに対応して、メニューを見直す必要に迫られている。

