2025-11-30 リスキリング

Reskilling。職業能力の再開発や再教育のこと。リクルートワークス研究所の石原直子センター長によれば、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」である。デジタル技術の進展に伴い、従来の職務が変化し、あるいは新たな職務が生まれる中で、求められるスキルが変わってきているから、という文脈で用いられることが多い。もちろんリスキリングを要求するものはデジタル化だけではなく、市場や競合環境の変化、企業自身の戦略目的の変化なども要因になりうる。

リスキリングを従業員自身の責任と捉え、自己啓発に委ねてしまう企業は少なくないが、本来は企業が未来を切り開くために必要なことなのだから、企業の側が主体的に学びの機会を提供しなければならない。保有しているスキルが陳腐化してしまった人たちをもう一度鍛え上げ、新たな舞台で活躍してもらうための武器を持たせてあげることは、社内モチベーションの向上や人事コストの削減にも寄与する。

従業員個人のマインドセットも重要である。人は従来のやり方や、これまで蓄積してきたスキルへのこだわりを完全に捨てることは難しい。しかし、気持ちを切り替えて新しいことにチャレンジした者だけが「やりがい」という報酬を手に入れることができる。何も会社のためではない。自分の人生を充実させるためである。筆者はそういう人を何人も知っているし、自身もそうありたいと願う一人である。

なお、リスキリングは「リカレント教育」や「生涯教育」といった言葉と混同されることが多いが、これらは似て非なる概念である。リスキリングが職業に関連したスキルの習得に焦点を当てているのに対し、リカレント教育は体系化された学問を改めて学び直すこと、生涯教育は生きている限り学びをやめないことを意味している。

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