2025-12-8 環境分析

マーケティング活動を行う際に、最初に着手すべきなのは環境分析である。このプロセスなしに戦略を立てるのは、海図を持たずに大海に漕ぎ出そうとすることに等しい。

環境分析は外部環境分析と内部環境分析に大別され、外部環境分析は更にマクロ環境分析とミクロ環境分析に分けることができる。

<外部環境分析>

・マクロ環境分析・・・経済、人口動態、社会、文化、技術、政治、法律、自然環境など、自社のビジネスに影響を与える可能性のある広範な外部要因を体系的に分析する。これらは企業が直接コントロールすることができないため、マーケティングに先立って分析することで制約要因を洗い出す。また、取り組むべき機会や対処すべきリスクを認識する。

マクロ環境分析の代表的なフレームワークに「PEST分析」がある。これは、自社を取り巻く外部環境を「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」という4つの切り口から把握しようとするものである。近年はこれにEnvironment(環境)の要素を加えて「STEEP分析」とすることもある。

・ミクロ環境分析・・・もう少しスコープを絞って、自社の事業活動に直接的な影響を与える外部環境を分析する手法である。市場や顧客、競争企業、供給業者、流通経路、業界構造などが分析の対象となる。自社がどんな状況下でビジネスを行っており、その中でどのような立ち位置にいるのかを理解することが目的である。

ミクロ環境分析の代表的なフレームワークは、5フォース分析と3C分析である。前者はマイケル・ポーターが提唱したもので、「業界内の競争環境」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の競争力」という5つの要因を分析するものである。後者は顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点から現状を把握する。

<内部環境分析>

自社が保有する経営資源を網羅的に分析する。一般的に言われる「ヒト・モノ・カネ」という目に見えるリソースはもちろん、情報や技術、ブランド、組織風土や経営ノウハウといった目に見えないリソース(無形資産)も俎上に載せる。自社の強みと弱みを客観的に把握することが目的である。

内部環境分析の代表的なフレームワークに、ギャップ分析とVRIO分析がある。前者はリソースの項目ごとに目標値(他社のレベルや将来あるべき姿など)を置いて現状との差分を見るもの、後者は自社のリソースを「経済価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣困難性(Inimitability)」「組織(Organization)の視点から分析するものである。

なお、SWOT分析は、ミクロの外部環境と内部環境を同時に検討することができる便利なフレームワークである。

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