2025-12-11 彼我分析
ミクロ環境分析において、自社と競合他社がどういった力関係にあるかを知るための分析。3C分析では「競合」の分析に必須であるし、「自社」を分析するにも比較相手がなければ論理性に欠ける。手法としてはそれぞれの企業が有する経営資源を、質・量の両面から比較する「ギャップ分析」が一般的である。
対象とする競合企業の決算書が手に入る場合は、まず財務的な分析から手を付ける。これで有形資産(ヒト・モノ・カネ)の定量部分はおおむね比較できる。質的な面、例えばどんな職種の人が多いとか、どういった設備を有しているかといった点についても、同じ業界であれば、おおざっぱな情報なら入手できることが多い。
難しいのは無形資産である。まずどんな項目で評価すればよいのかがわからない。この点については、経済産業省が公表している企業の評価ツール「ローカルベンチマーク(ロカベン)」の「4つの視点(非財務)」が一つの参考になる。ここでは対象企業を評価する切り口として「経営者」「事業」「企業を取り巻く環境・関係者」「内部管理体制」の4つが挙げられている。それぞれの切り口に3~4つの細目があり、例えば「経営者」の項目なら「理念・ビジョン」「意欲」「後継者」といった点で評価できるようになっている。
評価項目がわかったとしても、例えば競合企業がどんなビジョンを持ち、どのような戦略を打ち出してくるのか、といった情報はほとんど手に入らないのが普通である。重要性は認識されながら、彼我分析が現実にはあまり行われない理由がここにある。しかしながら、細かいところまでは難しいとしても、業界誌のインタビューや業界団体の会合、競合と取引のある関係先へのヒアリングなどで、アウトライン程度は把握できることが多い。
もちろんそれなりのお金をかけて競合企業を調査する、というケースもなくはないが、そこまでの必要性はない場合がほとんどである。実務上の彼我分析は、「だいたいこうだろう」というおおざっぱな感触を得るために、限られた情報をつなぎ合わせて形にしていくものと理解して差し支えない。

