2026-1-5 コトラーの5段階モデル

マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーが提唱したモデルで、消費者が製品・サービスを購入する際の心理的なプロセスを表現する、代表的なフレームワークである。「問題認知」「情報探索」「代替品評価」「購買決定」「購買後の行動」という5つの段階で構成されているためこう呼ばれる。マーケターは各段階の心理とそれらのつながりを理解することで、消費者の内面を把握し、適切なアプローチを行うことができるようになる。

・問題認知・・・消費者が自身のニーズや欲求に気づく段階である。例えば空腹感は、自分の体の中から自然に感じる場合もあれば、おいしそうな匂いなど外部の刺激から生じる場合もある。マーケティング活動においては、この段階で消費者のニーズを喚起するプロモーションを展開することが求められる。

・情報探索・・・消費者が認識したニーズを満たすため、解決策を探す段階である。一般的にはまず自らの知識や経験から情報を探る「内部探索」が行われ、それでは不十分だと感じれば「外部探索」、すなわち家族や友人からの口コミ、ネット検索等で補完しようとする。この段階ではまず、ターゲット層そのもの、あるいは彼らの準拠集団において、自社のブランドイメージを最大限高めておくことが重要である(精緻化見込みモデルにおける「周辺的ルート」である)。加えて、ネット上の口コミやSEO対策を強化し、自社の情報がターゲットに届きやすくなるよう努める必要がある。

・代替品評価・・・情報探索によって得られた複数の選択肢を比較し、自分のニーズに最も合った製品はどれか、評価する段階である。この段階では、消費者はすでに自社製品に一定の(良い)イメージを持っているため、感情に訴えかけるというよりは、他社製品との違いや優位性について理論的に説明するアプローチが有効である(精緻化見込みモデルにおける「中心的ルート」)。

・購買決定・・・最終的にどの製品を購入するか決定する段階である。ここでは、特別なキャンペーンや割引といった「最後の一押し」が決め手にになることが多い。消費者に意思決定のきっかけを与える魅力的なオファーが求められる。

・購買後の行動・・・購入後、その製品の満足度を評価する段階である。次回の購買や周囲の人間に影響を与えるため、アフターサービスやフォローアップを通じて顧客満足度を高め、できれば次回の購入につなげる施策を展開する必要がある。一般的には、過度に高い期待をもって購入した製品に対しては、消費者は厳しい評価を示すことが多い。それは、客観的に見てその製品が十分な水準を有していたとしても、である。したがってマーケターは(そうしたいのはやまやまだが)、自分が担当する製品のプロモーションにおいて、実力以上の期待感を煽るようなことをしてはならない。