2025-7-8 垂直統合
もともとは別々の企業が担っていた2つ以上の生産または流通段階を1つに企業にまとめること。すなわち、ある活動が市場取引から組織内取引へと変化して、いままで外部に任せていた活動を企業自らが行うようになることである。川上段階へさかのぼるものを川上(後方)統合、川下段階へ向かうものを川下(前方)統合と呼ぶ。
ドラッカーは、「川上統合は専門化を、川下統合は多角化を、(それぞれ)意味する場合が多い」(「創造する経営者」)と述べている。川上統合としてはユニクロがブランド商品の仕入販売を一切やめ、商品企画から製造、販売まで一貫で手掛けるSPA業態に変貌した例が挙げられる。かつては製造と販売を別会社としていたトヨタが系列ディーラー網を内部化し、直販体制を敷いたのは川下統合の例である。
垂直統合は、内部化によって得られる便益(コスト削減や品質向上、意思決定のスピードなど)が、外部に任せる場合の取引コストを上回る場合に行われる。これは、「そもそも企業とは、市場取引における取引コストが高い部分を内部に取り込んだものだ」という「取引費用理論(TCE:transaction cost economics)」に沿った考え方と言える。

