2025-7-27 産業クラスター

ポーターによれば、「特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属する企業、関連機関(大学や規格団体、業界団体など)が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力している状態」と定義される。代表的な例として、シリコンバレー(ハイテク産業の集積)やハリウッド(エンターテイメント産業の集積)が挙げられる。

従来の産業集積論は地理的な集中の原因として土地や天然資源などの優位性を強調していた(例えば繊維産業は大量に水を使うので水源として大きな川がある場所に産地ができた、と言われている)。これに対して産業クラスター論は、科学技術のインフラ、先進的な顧客ニーズ、専門化が進んだスキルや知識といったソフト面の生産要素の重要性を強調する。例えばシリコンバレーは、立地としてはただの砂漠であり、特別な天然資源は何もない。「そこにそういう人たちが集まったから」としか説明できないのである。

こうした知識ベースの生産要素が集積内でシナジー効果を生み、イノベーションの苗床としての当該地域の重要性を際立たせる。ポーターは産業クラスターを形成する要素を「ダイヤモンドモデル」というフレームワークを使って説明している。近年では自然界の生態系になぞらえて「エコシステム」という表現が良く使われる。

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