2025-8-14 命令統一性の原則

組織の構成員は常に一人の上司からだけ指示を受けるようにしなければならないという考え方。

「統制範囲の原則」により一部門の規模が制約されることになると、企業規模の拡大とともに部門の数が増加し、組織の階層化が進むことになる。このようなとき、組織としての統一的な行動を担保するのがこの原則である。指揮命令系統が統一されているため判断に迷うことがなく、効率よく業務を行うことができる。逆に、複数の上司から異なる命令を受ける(ワンマンツーボス)と、矛盾した指示・命令に対応しなければならないことになり、現場に混乱が生じる。

実際に企業内では、直属の上司である課長の頭越しに、部長から指示が飛んでくるようなことがよくある。その場で「課長を通してください」と言い返すことができればよいがなかなかそうもいかず、部下は大いに苦労することになる。西洋には「二人の良い主人よりも一人の悪い主人の方がまし」という農民のことわざがあるらしい。

もっとも、ある部署に所属しながらプロジェクトチームの一員でもあるという「チーム型組織」や、それが恒常化した「マトリクス型組織」では、どうしてもこの原則を守ることが不可能になる。ラインの長とプロジェクトリーダーのどちらの指示を優先するか、各メンバーがそれぞれの上司とコミュニケーションを取り、自己規律をもって判断しなければならない。また、上司の側もコンフリクトの解消に努め、あるいは組織として優先順位を調整する仕組みを持たなければならない。  

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2025-8-15 例外の原則