2025-8-19 事業部制組織

事業部と呼ばれる管理単位で編成された分権型の管理組織である。製品・サービス、地域、顧客などの基準で分けられ、それぞれの業績に責任を負う独立採算制の組織であり、ROI(投下資本利益率)などの財務的な指標によって本部に管理される。各事業部には大幅に権限が委譲されており、日々の業務に係るほとんどの意思決定に関して本部の承認を必要としない。また、事業部制と言えども、各事業部の内部は職能型組織で編成されるのが普通である。

一般的に言われる事業部制組織のメリット、デメリットは以下の通りである。

<メリット>

・本部のトップマネジメントが業務管理的な仕事から解放され、戦略的な意思決定に時間を割けるようになる。

・現場に近いところで意思決定が行われるため、柔軟でスピーディーな対応が可能である。

・業績に対する責任が組織の末端まで浸透しやすい。また、管理者の能力を高め、次世代の経営者育成に資する。

<デメリット>

・管理系や研究開発系などの職能が各部門で重複するため、コストがかさむ。

・各事業部がそれぞれの権益や利益にこだわり、視野が狭く短期的な判断に陥りやすい。

・セクショナリズムをもたらしやすい。事業部間で意地を張りあったり、あるいはまったく無関心であったりする。事業部どうしが協力してシナジーを生じさせる、といったことはまず起こらない。

デメリットもあるものの、ドラッカーは事業部制組織(彼は「連邦分権組織」と呼ぶ)を「今日のところ、これに勝る組織構造はない」(マネジメント)と述べている。マネージャーの目が業績と成果に向くという点、マネージャーが育成されるという点がその理由である。

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