2025-8-23 マトリクス組織

職能や事業といった異なる系統の業務遂行要素を縦横に組み合わせた網目状の組織形態。ITベンダーやゼネコンなどプロジェクトが常態化している業界や、ある製品別事業部に属しながら地方支店の一員であり事業部長と支店長の両方から指示を受ける社員を想像していただければよい。

組織構造の5原則のうち「専門化の原則」と「命令統一性の原則」からは外れた複雑な組織構造であり、構成員には高い自己規律とコミュニケーション能力が要求される。シンプルな職能別組織と比較すれば現場の負荷は半端ではなく、人をつぶしてしまうリスクも高い。

それでもこの組織形態を採用するメリットは、範囲の経済性の追求にある。すなわち、少ない経営資源(特にヒト)を複数の製品ライン間、あるいは異なる職能間で共有し、「使い倒す」ことが目的である。関連多角化を志向する企業や、外部環境の変化が激しい業界では特に効果を発揮する。

多くの情報を持っている人が現場の近くに増えるので、いちいち上位者に指示を仰がなくても判断できることが増え、情報処理のスピードが上がる。環境変化への適応に苦慮する現代の企業にはうってつけの組織であり、後戻りは考えにくい。従業員もこれをプラスに捉え、自分を成長させる機会として、複雑な情報処理や人間関係の調整に取り組む覚悟が必要である。

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