2025-9-1 組織のコンティンジェンシー理論
「唯一絶対の組織構造など存在せず、状況によって最適な形は異なる」という考え方。「状況適合理論」とも言う。実際、世の中にはその組織の目指すところや置かれた環境に応じ、例えば組織が100あれば100通りの組織構造があると言っても過言ではない。また、いったんは最善と考えられた組織の形が環境変化によってうまく機能しなくなる、といったことも当然起こりうる。このように、状況によって組織編成の根拠を選択していくことの必要性を説く理論である。代表例を3つ挙げる。
・バーンズ&ストーカーの有機的組織・・・イギリスの約20社を調査し、それぞれの組織構造と業績との関連を研究した結果、安定的で環境変化の少ない業界では「機械的組織(階層型の官僚的組織)」が、不安定な環境条件では「有機的組織(権限や情報が内部に分散した水平協業型の組織)」が適しているとした。
・ウッドワードのサウス・エセックス研究・・・「生産技術が組織構造を規定する」という考え方。大量生産を志向するならば機械的組織が、個別生産や装置生産(化学プラントや石油精製などのように自動化された装置で全工程がつながった生産のやりかた)には有機的組織が適合することを実証的に説明した。
・ローレンス&ローシェの「条件適応理論」・・・「分化」と「統合」の観点から組織構造と業績の関係を明らかにした研究。彼らによれば、不確実性の高い環境下で高い業績を上げている企業は部門の分化(専門性や独立性)の程度が高く、かつ高度の統合機能を有している。そのうえで、組織を取り巻く環境はそれぞれ異なるため、あらゆる環境に対して有効な唯一絶対の組織構造は存在しない、との見解を示した。この研究が現在のコンティンジェンシー理論の基礎になっている。

