2025-9-9 ハーズバーグの二要因論
「動機づけ=衛生理論」とも言う。アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した、マグレガーのX理論・Y理論の発展形と言える学説。ざっくり言うと、仕事における満足度は、ある特定の要因が満たされると上がり、不足すると下がるというものではない。人間に満足と不満足をもたらす要因はそれぞれ別である、というもので、ハーズバーグは満足をもたらす要因を「動機づけ要因」、不満足をもたらす要因を「衛生要因」と呼んだ。
動機づけ要因は、Y理論の人間観に対して満足をもたらす要因で、仕事への責任や達成感、承認や、昇格・承認などが該当する。メンバーの積極的態度を引き出すものであり、満たされるとさらに強い満足を求める特徴がある。
一方の衛生要因は、X理論の人間観に対して不満足をもたらす要因である。人間関係や上司、労働環境や給与の他、会社の方針等もこれに該当する。これらが満たされると仕事上の不満を防止することはできるが、メンバーの積極的な貢献を引き出すことはできない。
したがって、組織のモチベーションを高めるためには、まず衛生要因を整えて不満を解消し、その上で動機づけ要因を満たして、より高い満足と積極的な態度を引き出すことが現実的な解になる。ハーズバーグは動機づけ要因を満たす一つの例として「職務充実」を挙げた。これは、一つの仕事に計画、準備、統制といった内容を加え、責任と権限の範囲を拡大して仕事の幅を広げようとする方法である。仕事の種類を横方向に増やして単調さを解消する「職務拡大」とは異なり、仕事の奥行きを増す、垂直的な充実策と言える。

