2025-9-14 強化説
B.F.スキナーによって提唱された過程理論の一つ。「オペラント条件付け」とも呼ばれる。行動の「結果」、すなわち与えられる「報酬」あるいは「罰」が、将来の行動の増加や減少に影響を与えるという考え方。スキナーは、ハトやネズミを使った実験を通じて、以下4通りの行動パターンを体系化した。
・正の強化・・・報酬を与えれば、のちの行動頻度が増える。
・正の弱化・・・罰を与えれば、のちの行動が減る。
・負の強化・・・罰をやめれば、のちの行動が増える。
・負の弱化・・・報酬をやめれば、のちの行動が減る。
動物に芸を仕込むとか、小さい子供のしつけをイメージすればよい。結論だけ見れば当たり前のことを言っているように見えるが、こういうことをひとつずつ証明していくのも科学である。
強化説ではいくつか興味深い実験結果が示されている。一つは報酬の与え方である。報酬は、常に与える(連続強化)より、何回かに一度与える(部分強化)のほうが効果は高い。それも、いつもらえるかわからない報酬だとのちの行動頻度が著しく増加する、というものである。厳しい修行の中、めったに褒めない師匠がたまに見せる笑顔、といったところか。
もう一つは体罰に関する結果である。体罰は「正の弱化」に区分されるが、はじめは効果があっても長続きしないという結論が出ている。スキナーの実験は1938年のことだが、この時代から体罰の効果は明確に否定されていた。
なお、強化理論は対象の自発的な行動を扱うもので、外部の刺激から生じる本能的な反応を体系化したパブロフらの研究とは系統が異なる(こちらは「古典的条件付け」と呼ばれる)。よく誤解されるので一応補足しておく。

