2025-10-1 リーダーシップとマネジメント
米国では1980年代ごろからイノベーションの必要性が叫ばれ、多くの企業がそれを主導できるリーダーの育成に取り組んだが成功例は少なかった。ハーバードビジネススクールのジョン・P・コッターはその原因を研究し、リーダーシップとマネジメントを別物として考えることが重要だと説いた。
コッターによれば、経営者と管理者を分けるのは「変革を推し進める機能」か「効率的に組織を運営する機能」かの違いである。前者がリーダーシップ、後者がマネジメントであり、多くの企業はリーダーを育成しようとしてマネジャーを育ててしまっている、というのが彼の主張である。
このような考え方をすると、リーダーシップが長期的なビジョンを提示し、メンバーに道筋を示して動機づけするという役割であるのに対し、マネジメントは短期的な計画や予算を立て、組織の設計や人員配置を行って予実を管理する、という役割になる。変革期と平時の対比とも解釈でき、極めてわかりやすい。
(ドラッカーはコッターのいうリーダーシップ、つまり変革を起こす役割をマネジメントの機能に含めて語っている。これはどちらが正しいということではなく、コッターの問題意識がリーダーの育成方法にあったため、こうした整理の仕方になったと考えるべきであろう。)
コッターはリーダーシップとマネジメントをそれぞれ独立したプロセスとしているものの、どちらが大事ということではなく、むしろ相互補完関係にあるとしている。

